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「子猫」と聞いてみなさんはどのくらいの猫を想像しましたか?
私は真っ先にミャーミャーと雨でずぶ濡れになって鳴いている小さな子猫を想像しました。
ずぶ濡れでなくてもいいんですけど(笑)
もしかしたら、ペットショップで並んでいるサイズの猫を想像した方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、どちらも「子猫」で間違いないのです。
正確には1歳までの猫は「子猫」というカテゴリーに分類されます。
同じ子猫だからといって、1.2週齢の猫と、半年の猫が同じ育て方で良い訳がありません!
ペットショップやブリーダーさんからお迎えする猫の場合は、ある程度の大きさになっていますので、
目も開いていなかったり、哺乳瓶でミルクをあげなければいけないというような状況はほとんどないかと思います。
子猫のお世話が本当に必要な時、それはずばり、「野良猫を拾った」時か「家の猫に出産をさせた」時です。
家の猫が出産した時は、大抵は母猫がお世話をしてくれますので、あまり人間は介入しなくて済むということも多いのですが、
母猫が育児放棄をしてしまったり、母親のいない野良猫を保護したらそれはもう大変!
拾ったあなた、飼い主であるあなたが全責任を持って子猫を育てなければいけません!
でも、完璧に事前準備は済んでいて、「さあ、どこかに猫は落ちていないかしら?」なんて探す方はいないですよね!
子猫との出会いはある日突然やってきます!
目と目が合ったらそれが、最後!
お家に迎えると決めたけれど、これからどうしようと途方に暮れてしまうかもしれません。
でも、安心してください!
子猫の育て方について専門家の立場から丁寧に解説していきますね!
目次
拾った子猫、生まれてどれくらいかわからない!女の子?男の子?
- 子猫の年齢は体重でわかります
- オスの子猫の肛門と生殖器は、コロン「 : 」のような形
- メスの子猫の肛門と生殖器は、「i」のような形
先ほどお伝えした通り、子猫というのは生後どれくらいかによって、育て方が異なります!
そこで、まずは拾った子猫が生まれてからどれくらいなのかを調べる方法をお教えします。
また、生まれたての子猫は男の子でも陰嚢が発達しておらず、パッと見ただけだと性別がはっきりわかりません。
性別を見分ける方法も解説します!
もし、やっぱり分からないという場合には、動物病院で確認してもらいましょう!
子猫の年齢を知るために見るべきポイント
ポイントは体重と、目や耳の状態、歯が生えているかなどです。
生後 | 体重 | ここがポイント! |
---|---|---|
1~7日 生まれたばかり | 70~120g | 目はつぶったまま、耳の穴も閉じています。 ミルクを飲んで排泄する以外は寝ています。 ヘソの緒が取れる頃です。 |
8~14日 生後1週間 | 120~250g | 生後10日頃でようやく目が開き、2週目でちゃんと見えるようになって動き回れるようになります。 |
15~21日 生後2週間 | 250~350g | 2週目から耳が聞こえるようになって、乳歯も生え始めます。 ゆっくりとよちよち歩きが出来るようになってきます。 |
22日~1ヶ月 生後3週間 | 350~500g | 全体的に歯が生え始めます。 自力で排泄ができるようになり、離乳食が食べられるようになります。 |
2ヶ月 | 500g~1㎏ | |
3ヶ月 | 1.0㎏~1.5㎏ |
子猫の性別の確認の仕方
子猫を優しく包み、仰向けになるように持ち、そっとしっぽを下げてみると、肛門が確認できると思います。
見るポイントは「生殖器のかたち」と「肛門からの距離」です。
オス猫「メス猫よりも肛門と生殖器の間が長い」
オスの場合は、肛門の少し離れた下に生殖器(ペニス)があります。
はっきり確認出来るわけではなく、生殖口は小さな丸い穴のように見えます。
オスの子猫の肛門と生殖器は、コロン「 : 」のような形に見えます。
肛門と生殖器の間に睾丸があり、今後睾丸が膨らんでくるので、肛門と生殖器が離れているとイメージすると分かりやすいです。
メス猫「肛門と生殖器の距離が近い」
メスの場合、肛門の下すぐに生殖器(会陰)があります。
肛門から下に毛が生えていない部分があって、コーヒー豆のような形をしています。
メスの子猫の肛門と生殖器は、「i」のような形に見えます。
子猫を迎えるために準備するもの
- 【子猫が生後3週間以下の場合に準備するもの】①子猫用ミルク②哺乳瓶、シリンジ③ペットシーツ④体重計⑤体重やミルクの量などを記載するノート⑥子猫用ベッド⑦コットン
- 【子猫が生後3週齢以上の場合に準備するもの】①子猫用ウェットフード、ドライフード②食器③ケージ、段ボール(子猫用ベッド)④トイレ、猫砂⑤体重計(キッチンスケール)
さて、子猫の月齢が大体わかったら、次は必要なものを準備しましょう!
子猫の大きさや、生まれてからの日数によって準備するものというのは異なります。
「猫といえば、ミルクとトイレ!」と、目も開かない子猫さんにトイレを急いで用意する方もいらっしゃいますが、慌てなくて大丈夫です。
子猫が生後3週間以下の場合に準備するもの
- 子猫用ミルク
- 哺乳瓶、シリンジ
シリンジがあると哺乳瓶が上手く飲めない時に便利です。
- ペットシーツ
- 体重計
子猫は毎日必ず体重が増えていきます。
もし減っていたら、ミルクが飲めていなかったり、体調を崩していたりするサインですので、毎日チェックしてあげる必要がありますので、体重計は必ず用意するようにしてください。
1gの単位を測定しますので、キッチンスケールを使用すると良いでしょう。
そのままスケールの上に乗せると転落してしまう事がありますので、体重測定用に小さい段ボールを用意して、子猫を中に入れて測ると測りやすいです。
- 体重やミルクの量などを記載するノート
- 子猫用ベッド
生後45日に満たない赤ちゃん猫を迎えるにあたって、ベッドの準備は非常に大切です。
子猫は、自分で体温調節ができず、母猫の体にくっついて温めてもらっていますので、体温維持のための保温が大切です。
ペット用ヒーターや湯たんぽ等を用意して、直接肌に当たると火傷するおそれがありますので、タオルで巻き、子猫用のベッドにおきましょう。
保温グッズを全体的に置いてしまうと、暑い時に子猫が移動できませんので、片側におき、自由に温かい場所と涼める場所を移動できるようにしてあげましょう。
子猫のベッドは、保温が簡単で、汚れても何度も交換できますので、ダンボール箱が理想的です。
ダンボールにペットシーツ、タオルを引いて保温グッズ、温度計を置いたら「子猫のベッド」の完成です。
子猫のいる環境温度は生後1~2週では32~34度、その後は24~27度前後を保てるようにしてあげてください。
- コットン
排泄をサポートする際に使用します。
子猫が生後3週齢以上の場合に準備するもの
子猫に歯が生え始め、離乳食が食べられるようになり、自力で排泄ができるようになりますので、準備するものはだいぶ異なります。
- 子猫用ウェットフード、ドライフード
通常離乳食は1ヶ月齢程度からスタートしますが、早い子であれば3週間ほどで開始できる場合があります。
もし、食べ慣れているものがある場合は同じ物を用意してあげましょう
- 食器
フード用、飲み水用と2種類必要です。
食器から直接飲めない子は、小動物用のケージにつるすタイプの水飲みでも構いません。
- ケージ、段ボール(子猫用ベッド)
最初の内は、ホームテリトリーにもなり、安心できる場所になりますので、ケージの中にトイレやベッドをおいて、子猫ちゃんのハウスのようにして使うとよいでしょう。
留守番をさせる時はケージに入れておけると安心です。
- トイレ、猫砂
子猫が登れるくらいの浅めの容器で大丈夫です。
猫用トイレは専用のものも販売されていますが、小さい時はトイレを乗り越えるのが難しいので、お菓子の空き缶などでも良いでしょう。
猫砂は、使い慣れたものがあれば同じものを用意し、匂いがついた砂を少量もらってこれると、子猫が臭いでトイレを覚えやすいです。
- 体重計(キッチンスケール)
子猫を迎えるための環境作りも大切です
- 子猫が怪我をしないように生活空間を整えましょう
- 脱走対策は万全に
- トイレは安心できる場所に設置しましょう
猫は高い場所や狭い場所が大好きで、高いところにジャンプして飛び乗ったりするので、ケガをしないように対策しておきましょう。
人間の食べ物も手の届く場所に置かないように気をつけましょう。
猫は少し大きくなってくると、自分でドアをあけられたり、窓や網戸のちょっとした隙間に爪をひっかけて開けたり、すごい勢いで網戸に突進し破ってしまうなど、予想をはるかに超えて逃亡する危険があります。
脱走対策は万全にしておきましょう。
絶対に出られないな、という隙間からも猫は上手にすり抜けますので、細心の注意が必要です!
猫を実際に保護した後は、万が一、脱走してしまった時の為に首輪をつけておいたり、マイクロチップを入れる等で迷子にならないようにしてあげましょう。
トイレは猫にとって、最も無防備な瞬間ですので、安心できる場所になければトイレができません。
静かで落ち着ける場所に置いてあげましょう。
可能であれば、人気のないところに置けるとベストです。
実際の子猫のお世話の仕方
- 【子猫の食事】①生後1ヶ月まで⇒ミルク②生後1ヶ月⇒離乳食③生後2ヶ月⇒子猫用キャットフード
- 【子猫の睡眠】ダンボール箱で充分
- 【子猫の排泄方法】ミルクを飲ませる前と後に肛門をコットンで刺激して排泄させます
実際に、子猫になにをしてあげたらいいのでしょうか。
最低限するべきこと、それは人間と同じで生きるために必要な3つの事「食う!」「寝る!」「出す!」というシンプルな事です。
これさえできれば、子猫も人間も生きていけるのです。
とてもシンプルな事です。
しかし、人間と違って、子猫の場合は少しサポートしてあげる必要があります。
これから、詳しく解説していきますね。
1.【食う!】子猫の食事
子猫の月齢によって食べられるもの、食べられないものが変わってきます。
子猫の食事【生後1ヶ月まで】
生後1ヶ月までの子猫はミルクだけでOK!
生後1ヶ月までの子猫は、子猫用ミルクを温めて飲ませます。
生まれたばかりの子猫は、夜の間も2〜3時間間隔が基本ですが、子猫が寝ていたら、無理に起こして与える必要はありません。
しかし、前の授乳から6~8時間以上間が空いてしまうと、低血糖になってしまう事がありますので、その場合には起こして飲ませてあげて下さい。
ミルクは微量を調整できる粉ミルクがおすすめです。
メーカーによって給与量が違っていたり、成分が異なることもありますので、出来ればあまり色々変えるのではなく、同じものを使い続けていくと良いでしょう。
牛乳はあげないで!
漫画などで、よく拾った猫に牛乳を与えているのを見たことがありますが、猫は牛乳を消化する機能がなく、人間用の牛乳は下痢になることがあるので、絶対に飲ませないでください。
温めたミルクは自分の手の甲にたらして人肌かどうか必ず確かめましょう。
ミルクの温度が高いと火傷の危険があります。
人間の赤ちゃんのようにあおむけにしてミルクを飲ませると、ミルクが気管に入ってしまう恐れがありますので、
ミルクを飲ませる際には、子猫を腹ばいにし空を見上げるように、頭を少し上に向けるようにします。
子猫が母猫のお乳に吸いつく姿をイメージすると良いと思います。
吸引反射があるので、たいていの子猫は自発的に飲むことができます。
使用後の哺乳瓶は、毎回よく洗って熱湯消毒しておきます。
ミルクの量は少しずつ増やしていきますが、増やした際に下痢をした場合は、回数を減らさず、一回量を減らして対処します。
ミルクは缶の外側に日齢で必要な分量が記載してありますので、規定通りの分量を温めたお湯(適温は35~40度)に溶かして、哺乳瓶で与えます。
生後4~5日までは、3時間毎に与える必要がありますが、その後は成長によって減らしていきます。
作り置きはせず、授乳のたびに新しく作るようにしましょう。
使用する粉ミルクや個体差にもよりますが、大体の目安としては以下を参考にしてください。
生後日数 | 1回のミルクの量 | 1日の標準量 | 1日に与える回数 |
---|---|---|---|
1~5日 | 約2グラム | 10~12グラム | 6回~8回 |
6日~10日 | 約2グラム | 10~12グラム | 5回~6回 |
11日~15日 | 約4グラム | 16~20グラム | 4回~5回 |
16日~20日 | 約4グラム | 16~20グラム | 4回~5回 |
21日~25日 | 約6グラム | 24~30グラム | 4回~5回 |
26日~30日 | 約8グラム | 24~32グラム | 3回~4回 |
31日~35日 | 約8グラム | 24~32グラム | 3回~4回 |
子猫がミルクを飲まない時はどうしたらいい?
子猫がなかなかミルクを飲んでくれない場合の対処法を紹介します。
温度は母猫の体温と同じくらいの38度前後が理想です。
熱すぎるとやけどをしてしまいますし、冷たいと体は冷えますし、そもそも飲んでくれないこともあります。
猫によって熱めが好き、ぬるめが好きとありますので、好みの温度を探してみましょう。
飲んでいる間にミルクの温度が下がってくると飲まなくなる場合は、再度湯煎して温めてあげましょう。
あまりにも小さすぎたり、衰弱していて自力で哺乳瓶を吸えない子猫の場合は、スポイトを使って舌にたらして飲ませてあげます。
口に入った液体は、ペロペロと舐めてくれることが多いです。
お腹がパンパンだと、子猫だってお腹はすきませんので、まずは食事前にしっかり排泄させてみましょう。
ずっとミルクを飲まない状態が続くと、脱水症状や低血糖を起こしているかもしれません。
衰弱している猫の場合、スポイトで舌の上にミルクを垂らしても、ペロペロと舌を動かさなかったら非常に危険です。
すぐに病院に連れて行ってください!
吸い付きができない場合のコツですが、恐る恐るあげようとすると、浅のみになってしまっていることが多いので、口の奥の方まで乳首を入れるイメージで、深くすっぽりとくわえさせるのが、コツです!
だからといって奥に突っ込みすぎると、反射で吐いてしまうので、何度か試してコツをつかんでくださいね!
子猫の食事【生後1ヶ月以降】
1ヶ月経ったら離乳食にステップアップ!
だいたい、生後30日(早い場合は3週間ほど)になったら、離乳食をスタートさせましょう!
子猫用のウエットタイプの離乳食も売られていますし、子猫用のドライフードをふやかして与えてあげても良いです。
スタート時は離乳食と母乳もしくはミルクを併用し、徐々に離乳食の量を増やしていきましょう。
とても栄養が必要な時期ですので、栄養価が高く、高品質のキャットフードを与えて下さい。
子猫には必要な栄養が沢山あり、成猫用のフードだけでは、必要な栄養素が不足してしまいます。
主体は必ず子猫用のごはんで、「総合栄養食」と書かれているものを選びましょう。
ミルクを飲んでいた子猫は、最初は食べるという行為がわからない猫もいます。
フードを指先にすくい、子猫の口の中の上あごに擦り付けます。
本能的にペロペロしてくれますので、匂いや味になれ始めたら、2〜3日で自ら離乳食を食べてくれるようになります。
トッピングで粉ミルクをかけるのも一つです。
子猫の食事【生後2ヶ月以降】
一般的なドライフードをカリカリのまま与えても大丈夫です。
もし食べが悪い場合は、ふやかしてあげたり、ウェットフードを混ぜて与えてみてください。
ウェットフードのみでも「総合栄養食」であれば大丈夫ですが、歯石がつきやすかったり、値段が高いということもありますので、できるだけドライフードを主体に食べられると良いでしょう。
子猫の1日のごはんの回数
1日のごはんの回数の目安は以下の通りです。
1~2ヶ月齢 | 3~5回 |
---|---|
2~6ヶ月齢 | 2~4回 |
6ヶ月齢~1歳 | 2~3回 |
1歳~ | 2回 |
子猫期の月齢の低いうちは消化器官も未熟なので、1度に多くの量を食べることはできません。
そのため、1日の給餌回数を多めにして小分けに与えましょう。
回数は多ければ多いだけ良いですが、生活サイクルで頻回に与える事が難しい場合でも、生後2ヶ月まではなんとか3回はあげて下さい。
昼間留守にしてしまうという場合は、朝、帰宅後すぐと、寝る前で3回は最低でもあげるようにしましょう。
食事回数が少なく、空腹で過ごす時間が長くなると、吐く原因にもなります。
2.【寝る!】子猫の睡眠
よく寝る子だから寝子=ねこという名称になったという説があるほど、猫はよく寝る動物です。
猫の睡眠時間は子猫の場合は18~20時間程度、成猫になると12~16時間程度です。
1日の大半を寝て過ごすわけです。
家に慣れるとその時々の過ごしやすい場所で好き勝手に寝ますが、安心できる場所としてケージやベッドを用意しましょう。
いろいろなベッドが売られていますが、ダンボールで充分です。
ペットシーツやタオルを敷いて、汚れたらすぐに掃除できるようにしておくと安心です。
3.【出す!】子猫の排泄方法
実は、子猫は生後3週間までは自力でおしっこやうんちをする事が出来ません。
人間の赤ちゃんは生まれた時から自力で排泄できるので、意外と知らない方の方が多いかもしれません。
では、子猫はどうやって排泄しているかというと、母猫が肛門辺りを舐めることで、刺激となり、排泄が起こります。
その刺激を母猫に代わって飼い主さんがやってあげなければいけません。
タイミングとしてはミルクを飲ませる前と後に行います。
お腹が張っているとミルクの飲みも悪くなりますので、ミルク前に一度すっきりさせ、ミルクの後もしっかり排泄させることで腸の運動がスムーズになるようにしてあげましょう。
温かいお湯で浸したコットンを軽く絞り半分に折り、ちょうど折り曲げた部分で生殖器と肛門あたりをリズミカルにちょんちょんと刺激するようにします。
繊細な部分ですので、強くこすらないようにしましょう。
子猫のうんちはどんなうんちが正常?
本来は、母乳を飲んで育っている子猫のうんちは濃い緑色~濃い茶色で、ネチョッっとしています。
初めからミルクで育てている子猫の場合は、黄土色のうんちが出ます。
どちらも正常なうんちで、どちらが良いという事もありません。
ミルクしか飲んでいない子猫の場合、うんちはネチョッと柔らかいのが正常です。
硬くしっかり形がある場合は水分不足の可能性がありますし、水のようにサラサラの場合は下痢の可能性があります。
日頃から正常なうんちを観察しておけば、うんちの異常に早く気付くことができますよ!
うんちは1日に1〜2回程度が普通ですが、2日に1回という子猫もいます。
うんちが出なくても、食欲があれば4.5日程度であれば出なくても問題はありません。
それ以上でない場合は、お腹を少しマッサージしたり、病院でうんちを出してもらいましょう。
自宅でできる子猫の便秘対策
自宅で便秘の対処をする場合は、綿棒にオリーブオイルをつけ、肛門に綿棒の頭を入れ、円を描くように肛門を押し広げるようにくるくるとまわします。
刺激でもりもりとうんちが出てくるでしょう。
怖がって先端しか入れないと刺激にならないので、綿棒の頭部分はすっぽり入れてしまうのがポイントです。
お腹のマッサージは、時計回りにくるくると撫でるようにマッサージします。
腸の進行方向に向かってマッサージすることが大切ですので、反対まわりにはしないようにしてくださいね!
自力で排泄できる猫のトイレのしつけ方
- コットンで肛門を刺激する時に「チッチー」や「ワンツー」などコマンドを決めて刺激すると覚えるのが早い
- 成猫用のトイレは大きすぎるので空いたお菓子の缶などに猫砂を入れる簡易的なもので大丈夫
トイレの準備
生後3週間を過ぎると、猫は自力で排泄できるようになります。
子猫のベットの近くに、トイレを置いてあげましょう。
最初のうちは成猫用のトイレは大きすぎますので、空いたお菓子の缶などに猫砂を入れる簡易的なもので大丈夫です!
トイレのしつけ方法
とても不思議ですが、本能的にトイレを上手に使える子猫もいます。
うまく出来ない子猫に関しては、おしっこのついたコットンをトイレに入れてにおいを付けておいたり、
トイレがしたくなりそうなタイミングでトイレに連れて行き、トイレ砂の上で肛門を刺激して排泄させてみたり、
砂を掻いてみたりしてあげると良いでしょう。
また、生後3週間までの間にコットンで刺激する時に、「チッチー」や「ワンツー」などコマンドを決めて刺激をし続けると、そのコマンドを聞いただけで尿意を催すようになります。
砂の上にのせて、おしっこのコマンドを言ってあげるというのもとても効果的です。
とても大切な子猫の体重チェック!
- 子猫の成長を管理するのに体重チェックは欠かせない
- 最低でも1日に1回、時間を決めて子猫の体重を計り記録
- ミルクを飲ませる前で排泄をさせた後に計る
子猫にミルクを飲ませて、排泄をさせていても、このミルクの量で足りてるのかな?大丈夫なのかな?と心配になると思います。
そこで、客観的に成長を管理するのに重要なのが体重チェックです。
子猫の体重チェック方法
最低でも1日に1回、時間を決めて子猫の体重を計り記録しておきます。
出来れば、「ミルクを飲ませる前で排泄をさせた後」のタイミングが、誤差が起こりにくいです。
子猫は体重が1日に約10g程度増えていきますので、この経過をたどれていれば、成長は順調と考えられます。
体重があまり増えていなかったり、減っているというような場合は、
ミルクの飲む量が足りなかったり、子猫が病気にかかっていてミルクが吸収できていないなどの原因が考えられるので、
様子を見ずに、早めに動物病院へ連れていきましょう。
子猫の体重チェック以外で見ておいたほうがいい2つのポイント
子猫が元気かどうかは体重だけでなく、いくつか見ておいた方が良いポイントがあります。
目やにや、涙、鼻水がでていませんか?
目やにがひどかったり、黄色くネバネバした目やにが見られたら、猫風邪の疑いがあります。
猫風邪は人間の風邪と同じような症状を起こすウイルス感染症ですが、体力のない子猫の場合、放置すると肺炎を起こし命を落とす危険性があります。
猫風邪による角膜炎がひどくなると、結膜が目の表面に癒着し、白い膜が目を覆ったようになったり、最悪失明してしまう事もありますので、早急な対応が必要です。
下痢が出ていると、お尻にうんちがこびりついていることもあります。
子猫は体力がないので、発熱や下痢、嘔吐などによって簡単に脱水症状を起こしてしまいます。
下痢がある時はしっかり保温をし、猫用ミルクなどで水分補給をします。
シリンジなどで舌の上にのせても受けつけないときは、緊急事態ですので、すぐに動物病院へ連れて行ってください!
子猫のワクチン接種の時期はいつ?
- 子猫のワクチン接種時期は母猫からの初乳を飲んでいるかいないかで異なる
- 【子猫が初乳を飲んでいる場合】①1回目のワクチン:生後6~8週②2回目のワクチン:1回目の接種後2~4週後
- 【子猫が初乳を飲んでいない場合】①1回目のワクチン:生後5~6週②2回目のワクチン:1回目の接種後2~4週後
1回目 | 2回目 | |
---|---|---|
子猫が初乳を飲んでいる場合 | 生後6~8週 | 1回目の接種後2~4週後 |
子猫が初乳を飲んでいない場合 | 生後5~6週 |
初乳は子猫が母猫から生後2日程度飲む母乳の事です。
猫の飼い方などの本にかいてあるスケジュールのままだと、野良猫さんの場合はタイミングが遅いかもしれませんので、下記をよくご確認ください。
子猫が初乳を飲んでいる場合のワクチン接種の時期
- 1回目のワクチン:生後6~8週
- 2回目のワクチン:1回目の接種後2~4週後
母猫からの初乳を飲んでいる子猫は、初乳に含まれる母親からの「移行抗体」で生後6~8週程度は免疫があります。
人間の赤ちゃんが生後1.2ヶ月は熱を出すことがほとんどないのもこの「移行抗体」が理由です。
生まれながらに免疫がついている状態です。
しかし、移行抗体は子猫の身体に定着しているものではないので、段々となくなっていきます。
そのため、初年度のワクチン接種は、移行抗体の無くなるタイミングである、生後6~8週の間に1回、そして1回目の接種後4週後に、免疫を増強させるために、もう一度接種するのが良いとされています。
1回目のワクチンを生後6週齢に摂取した場合、元々持っていた抗体の影響でワクチンの効果が上がらないということがあります。
そのため、2回目のワクチン(生後10週齢)の1か月後に、もう一度三回目を接種することもあります。
3回目を接種するかどうかは病院の先生の判断になりますので、確認してみてください。
以降は、1年ごとに年に1回のワクチン接種を行うのが望ましいとされています。
子猫が初乳を飲んでいない場合のワクチン接種の時期
- 1回目のワクチン:遅くても生後5~6週頃
- 2回目のワクチン:1回目の接種後2~4週後
子猫が初乳を飲んでいないという事は母猫からの移行抗体がない、つまり免疫がないという状態です。
病気にかからないよう、早めにワクチンを接種する必要あります。
ワクチンの効果を阻止する移行抗体はありませんので、遅くても生後5~6週頃までには、1回目のワクチン接種を行います。
2回目以降の接種は、初乳を飲んでいる子猫と同じワクチン接種スケジュールと同じです。
野良の子猫を拾った時に動物病院に行くまでにするべきこと
- 保温してあげる
- 糖分と水分を取らせる
- シャンプーは命取りになることも
- 野良猫を拾った当日か翌日には病院に連れていく
突然野良の子猫を拾ってしまったら、すぐに動物病院に行くというのは鉄則です。
元気が有る無しに関わらず、必ず子猫の健康状態を確認してもらいましょう。
野良猫を拾った当日か翌日には病院に連れていきましょう。
特に、元々お家に猫がいるようでしたら、尚更、子猫の迎え入れは慎重にする必要があります!
見た目ではわからない病気や、先天的な異常がある場合もありますので、元気だからと自己判断は絶対にしないでください。
しかし、病院の開いていない夜間や、お昼休みの時間帯、休診日などの時は、病院に行くまでの間どうしたらよいでしょうか?
まず、よく子猫を観察してください!
- しっかり鳴いているか
- けがをしていないか
- 目やにや鼻水で顔が汚れていないか
- 下痢はしていないか
- 身体は濡れていないか
- ぐったりしていないか
等をまずは確認してください。
明らかにぐったりしているような場合は、夜間でも、すぐに診てもらえる病院を探さなければいけません。
保温してあげる
母猫から離れてしまっている子猫は、体温が低下しやすく、それだけでも命を落とすことがあります。
もし、子猫が濡れていたらしっかりタオルで拭き、体をごしごしとこすってあげましょう。
ドライヤーは30㎝ほど離せば使っても大丈夫です。
その後、カイロや湯たんぽ、ペットボトルにお湯を入れたものなどを使い、体温が低下しないようにします。
カイロや湯たんぽは、直接子猫の肌に触れると低温やけどを起こす危険性があるので、必ずタオルで巻いてから使用して下さい。
段ボールは保温性に優れているので、小さめの段ボール箱に(大きいと保温性が下がってしまいます)、ペットシーツ、タオルや毛布などを敷き、子猫を入れてあげましょう。
糖分と水分を取らせる!!
長時間母乳を飲めていなかった場合、子猫はすぐに脱水や低血糖に陥ります。
身体を温めたら、すぐに水分摂取と、糖分の摂取のために猫用ミルクをあげて下さい。
ミルクがすぐに用意できない時や全身状態が悪い場合には、50%程度の砂糖水か人間用スポーツドリンクを半分程度水で薄めたものを飲ませましょう。
ミルクが手に入るまでの緊急対策として、牛乳に、卵黄と練乳を少々加えたものを与えるという方法もあります。
ただ、牛乳は逆に体に負担を与える事もありますので、できる限り早く、子猫用のミルクに切り替えてください。
脱水と低血糖を予防するだけでも、生存率はぐんと上がります。
子猫のシャンプーはちょっと待って!!
保護した子猫の体中が汚れていたり、ノミに大量に寄生されていたりする場合、とりあえずシャンプーをしてしまうという方が多くいます。
しかし、生後3週間以前の子猫の場合は、体温調節が難しく、シャンプーは体温低下を招きますし、衰弱している子猫にとってシャンプーは体力を消耗し、命取りになる事があります。
あまりにも汚れがひどい場合は、ウェットティッシュなどで拭いてあげる程度にし、その後は、しっかり乾かします。
例外として生後3週齢未満でも、シャンプーをしてあげることもありますが、かならず獣医師に全身状態を確認してもらってから行いましょう。
保護する際の注意点
衰弱している野良猫を見過ごすことができない気持ちはとてもよくわかります!
病院に連れてきてもらえることで、子猫の命が助かる可能性がありますので、心の底からありがたいと思います!
ただ、もしその子猫に治療が必要であった場合、治療費というのは連れてきていただいた方に支払っていただく必要があります。
また、元気になった場合も、子猫をずっと病院で飼う事はできませんので、そのまま飼っていただくか、ボランティアさんや病院のサポートを受けながら、里親さんを探す必要があります。
私達病院のスタッフもできる限りのことはしますが、保護して頂いた方にもそれなりの責任がかかってきます。
子猫を保護するという事は「命を預かる事」です。
保護したら後は知らないということはできません。
子猫を保護する際は、命の重さをしっかり考えて下さいね!
さいごに
猫の出産シーズンである春から夏にかけては、子猫を拾ったというのは、結構よくある話です。
とても悲しいけれど、動物病院では、朝出勤すると、ドアの前に段ボールに入れられた子猫が鳴いていたり、「子猫拾いました~、うちで飼いたいです~」と連れてきてくれる飼い主さんがいたり!
そういう事が増えると、冷暖房の効いた病院内で働いているスタッフは、みんな「春がきたね~」と春の訪れを拾われた子猫で感じます(笑)
ただ、子猫というのはとっても弱く、ちょっとした油断であっという間に命を落としてしまいます。
実際に、朝、病院の前の段ボールで亡くなってしまっているという経験も何度もあります。
子猫の育て方をしっかりと把握しておく事で、小さな命を守ることが出来ます。
子猫には、3時間おきのミルクや排泄、温度管理など、かなり手がかかります。
仕事をしながらお世話ができますか?
協力してくれる人はいますか?
困ったことがあれば、ひとりで抱え込まず、動物病院にもぜひ相談しに来てください!
せっかく救ってくれた小さな命を大切に守っていきましょう!