まずは、この本の結論部分を“秒”でご紹介!
- 痛みの原因はカタチの異常ではない
- 痛みの原因ははたらきの異常(血液循環の低下)
- カタチに異常があっても温めることで痛みを軽減できる
- はたらきの異常が治る⇒痛みが消える⇒カタチの異常までも治る可能性がある
- 湿布はダメ!使い捨てカイロを使おう!
さて、ここからは、この本の内容を、もう少し深掘りしていきましょう。
書名:「体を温める」とすべての痛みが消える
著者の坂井学さんは、1945年鳥取県出身。大阪大学医学部卒業後、大阪府下などの複数の病院で勤務医を経て、1999年 坂井医院(和歌山市)を開設し、現在に至ります。(公式HPプロフィールより)
専門のお医者さんが書いた書籍なのね?
カタチの異常?はたらきの異常?ってどういう意味なのよ?
このように捉えるのが一番わかりやすいかと思います。
- カタチの異常=骨や関節の変形
- はたらきの異常=血液循環の低下
では、さっそく項目別に、この本の内容を深掘りしていきます。
目次
痛みの原因はカタチの異常ではない
なぜ、著者である、坂井学さんが、このような結論にいたったかというと、それには理由がありました。
このままの整形外科では、痛みは治せないのではないのか?と悩みます。
椎間板ヘルニアや変形性ひざ関節症と診断されて、手術が必要だといわれた人でも、カイロで温めると、手術をしなくてもよくなることが少なくありません。
椎間板の突出や軟骨のすりへりはそのままなのに、痛みは楽になっているのです。
これらを総合的に考えると、痛みの原因=カタチの異常と考えることはできないのです。
痛みの原因は何なのよ?
痛みの原因は”はたらきの異常”(血液循環の低下)
試行錯誤しながら、痛みの原因は、カタチの異常ではない。
はたらきの異常であるという結論に到達します。
以下、本書より引用します。
内服薬や湿布として多く使われいる痛み止め(消炎鎮痛剤)は、※1プロスタグランジンの作用を抑制するために開発されてきました。
表面的には痛みを軽くしますが、体に与える影響は、実は血流を減らし、治癒を遅らせるものです。
これらを使えば使うほど治りにくくなってしまいます。自然治癒力をおさえて、悪循環をもたらす典型です。
痛みの原因は、「かたち」の異常ではありませんでした。血液循環の低下を主とした「はたらき」の異常だとういことに、ようやく私はたどり着いたのです。
血液循環の低下は、目に見えない、流動的なものです。痛みの原因が流動的だからこそ、症状が軽くなったり重くなったりします。
この観点からも、痛みの原因は「はたらき」の異常であり、「かたち」の異常は影響が少ないといえます。
このことが理解できてから、痛みへの見方が一変しました。そうして私は、「湿布をやめてカイロにしよう」の大号令をかけることになったのです。
※1 体の機能がスムーズにはたらくよう調整する物質。主な作用は、血液循環をよくすることですが、同時に「炎症」という現象を起こす。
本書では、「痛み」の起こる現象を次のように説明します。
- ダメージを受ける
- プロスタグランジンの分泌が増える
- 血液循環が良くなる⇒このときに「炎症」「痛み」が現れる
- 痛みが消える
「炎症」や「痛み」は悪いことではない
湿布を貼るということは、逆に体の自然治癒力を妨げる結果につながるのね…
熱出したときの解熱剤を飲むのと同じなのかしらね…
痛みは、ダメージを修復する工事が進んでいる証拠です。体を傷つける現象ではないのです。
痛みが出ても、あわてないでください。「積極的に治るのを待つ」ことが大切なのです。
結局のところプロスタグランジンの分泌が増えるのを助けるのが一番効果的なんじゃないのかしら?
現代医療は何でもかんでも真逆をやっているのね
カタチに異常があっても温めることで痛みを軽減できる
痛みは体を守る反応であり
痛みははたらきの異常(血液循環の低下)が原因である。
痛みは、傷ついたところを治そうとする現象であり、痛みを無理やりおさえることは、自然治癒力の低下につながる。
痛みをおさえるのではなく、痛みが現れない体にしていくことが重要です。
さらに、坂井学医師は続けます。
温めることで修復工事のスピードを速める
痛みは、原因がなんであれ、血液循環が低下すると起こります。
ですから、血液循環を良くすることで、痛みが軽減できるはずです。
そこでカイロの登場ね!
カイロを活用しよう
肌に直に貼るもの、下着の上から貼るもの、いろんな商品が販売されていますが、好きなタイプを選びましょう。
カイロを活用して血液循環の量を増やし、さらに生活習慣を見直すことで血液循環の質を高めていきましょう。
カイロを貼るということは、プロスタグランジンの分泌が増えるのを助けることなので、一時的に炎症や痛みが増すこともありますよ。
患部を温めればいいんだから”使い捨てカイロ”にこだわらなくでもいいんじゃないの?
例えばどんなものなの?
ヒマシ油湿布とか
ヒーティングパッドとか
はたらきの異常が治る⇒痛みが消える⇒カタチの異常までも治る可能性がある
患部を温めることにより、痛みが消えるだけでなく、さらにカタチの異常までも治る可能性もあると、坂井学医者は本書で説明されていました。
普通に考えると・・・
カタチの異常を治す⇒はたらきの異常が治る⇒痛みが消える
・・・よね
ここでも逆なのね…!
はたらきの異常を改善することにより、カタチの異常までも改善されたケース
引用します。
股関節痛を訴えて当院を訪れました。
股関節に激痛が走り、つえをついて歩くのがやっとという状態でした。それまで通っていた整形外科では、変形性骨関節症と診断され、手術も必要と言われていたそうです。
その患者さんは、できるなら手術を回避したいと、わらにもすがる思いで当院を訪れたのです。
その患者さんは、私が指導したとおり、熱心に生活習慣の改善に努めてくれました。
その結果、約1年後にはかなり痛みが取れた状態となり、つえも不要になりました。
そして、痛みがあまりない状態が3年ほど続いたある日、そのかたは偶然にも、別の病院でレントゲンを撮影する機会があったのです。
当院を初診されたころのレントゲンでは、軟骨はすりへってほとんどない状態でした。ところが4年後のものでは、軟骨がかなり回復していました。
「かたち」が改善することは、私にしてみれば驚くことではありません。AKAに専念していたころは、レントゲン検査もしていました。痛みがない状態が数年続くと、関節の変形が改善することは、多くの症例で確認していました。
どんな症状であっても、まずは「はたらき」の異常が治り、痛みを早く消すことが第一です。
しかし、「かたち」の異常までもが正常になれば、それにこしたことはありません。「かたち」の異常は、場合によって、体の動きを制限してしまうこともあるからです。
これまでの経験から考えると、痛みのない状態が2~3年ほど続くと、「かたち」の異常までも回復してくる可能性が高くなるようです。ダメージを修復するエネルギーは、「かたち」の異常も治すことにも及んでいきます。
「はたらき」の異常がなく、「かたち」の異常もない。当然、痛みもない。それこそが究極の理想です。
先ほどの患者さんたちのケースは、「はたらき」の異常が治る⇒痛みが消える⇒「かたち」の異常までも治るという可能性をはっきりと示してくれました。
湿布はダメ!カイロを使おう!
肩や腰、ひじやひざなどが痛いとき、あなたはどうしますか?
湿布を貼るでしょ
ここまで読んできて
まだわからないの?
カイロでしょ
そうです。
使い捨てカイロを貼りましょう。
「痛み解消」に必要なのは「体を温める」ことです。
使い捨てカイロが痛みの解消に著効を示すと筆者は繰り返し言います。
湿布は体の修復工事を遅らせてしまいます。
温めることで修復工事のスピードを速めます。
痛みは湿布ではなくカイロで治す!
坂井医院には、痛み止めの薬も湿布も置いていないそうです。
痛みを解消するための、痛み止めの薬も湿布も必要ないからです。
では、痛みを取るために何が必要なのか?
一番重要なのは、「体を温める」ことです。
方法
痛みのある部位にカイロを一日中当てるだけです。
実際にカイロを活用した患者さんの中には、椎間板ヘルニア、変形性膝関節症といった、一般的には治癒が難しいとされている症状の痛みにも著効をあげているそうです。
ねんざや、軽度の骨折など急性期の症状も温めることで改善
本書では、ねんざや、ギックリ腰、軽度の骨折、膝の腫れ、筋肉痛、腱鞘炎などの「急性期の症状」も、すぐに温めることで改善していくと説明されていました。
「ねんざをした場合は、はじめは冷やして、数日してから温めるのですよね」
「いいえ」
「腫れたり痛みが出たりするのは、受けた傷を治すために血液循環が増えるからです。
ですから、冷やすという行為が、血液循環を減らして治るのを遅らせるということはすぐにわかります。ねんざをした直後から、温めてください。
ギックリ腰、軽度の骨折、急に膝が腫れてきた、運動のやりすぎで筋肉痛になった、手の使いすぎで腱鞘炎になったなどの、いわゆる「急性期の症状」も、対処はねんざの場合と同じです。」
あら、ミミは捻挫したとき
湿布を処方されて、治るまでずっと貼っていたわよ
真っ赤になって、ものすごく腫れたんだから
逆だったんですね
医者にも行かずに、なんにもしなかったほうが良かったわね
温めるという発想がお医者さんになかったのかもしれませんね。
間違った治療されるから
大怪我でもしない限り、医者には行かないほうがいいのかもしれないわね
そんなことはないでしょ
これって、医療全般に言えることだけど
基本的に自分の自然治癒力を信じて、なにもしない。
するとしても自然治癒力を助けることをするだけ。
で、絶対に医者には行かない
坂井学先生のような立派なお医者さんもいるんだから
極端なこと言わないで
確かに、ごくわずかだけど、いいお医者さんはいるわよね
見つけるの大変だけどね
まとめ
炎症や痛みは悪いことだと思っていたけど、本書を読んで、そうではなかったということに気がついたわ
はい、体の機能がスムーズにはたらくよう調整する物質(プロスタグランジン)を出すことで、治そうとする体のはたらきだったのですね。
湿布は、そのはたらきを邪魔することになる。
一方でカイロは、そのはたらきを助けることになる。
だから、痛みには、湿布ではなく、カイロを貼りましょう、と。
いずれにしても、本書は目からウロコの内容でしたね。
本書では、カイロを貼る以外にも、痛みが二度と出ない体を作る生活習慣についても半分の量を割いて言及していました。
温めることと両輪ね。
- 患部を温める
- 生活習慣を改善する
それについては当記事では、まったく触れなかったのですが
とても重要な内容ですので、
是非、本書を手にとってお読みください。
著者である酒井学医師は、医院も開設されています。
関西にお住まいの方は
診療してみてもらってはどうかしら?